【背骨の歪み】「側弯症(そくわんしょう)」は子供だけじゃない?高齢者に多い「変性側弯症」の正体

「鏡を見たときに肩の高さが違う」「背中が横に曲がってきた気がする」「ズボンの裾の長さが左右で違う」。こうした見た目の変化は、単なる姿勢の悪さではなく「側弯症」という背骨の歪みが原因かもしれません。

側弯症と聞くと、成長期の子供の病気というイメージが強いですが、実は加齢に伴って発症する高齢者の側弯症が近年増えています。今回は、その原因と日常生活での対策について詳しく解説します。

そもそも「側弯症」とは何か?

「側弯症」とは、本来なら真っ直ぐであるはずの背骨が、左右に弯曲(わんきょく)してしまった状態を指します。専門的には、レントゲン写真上で測定する「コブ角」と呼ばれる背骨の角度が10度以上になったものを側弯症と呼びます。

単に横に曲がるだけでなく、多くは背骨の「捻れ」も伴います。背骨が捻れることで、正面から見ると分かりにくくても、後ろから見ると片側の肋骨や肩甲骨が盛り上がって見える「肋骨隆起(ろっこつりゅうき)」が起こることもあります。

重症化すると、曲がった背骨が肺や心臓などの内臓を圧迫してしまうこともあるため、早期の意識が大切です。

セルフチェックの目安

以下のような変化に心当たりがある方は、一度専門家に相談してみることをおすすめします。

  • 左右の肩の高さが違う
  • 左右の肩甲骨の出っ張り方が違う
  • 立ったときに腰の高さが左右で異なる
  • 前屈したときに背中の片側だけが盛り上がる
  • 洋服の着丈やズボンの裾の長さがいつも左右で違う

高齢者に多い「変性側弯症」とは

側弯症には、大きく分けて2つのタイプがあります。

  • 特発性側弯症:思春期までの子供、特に女子に多く発症するタイプで、側弯症全体の約7割〜8割を占めます。原因ははっきりと解明されていない部分も多く、成長期に急速に進行しやすいのが特徴です。
  • 変性側弯症:中年以降に発症するタイプで、椎間板や椎骨(背骨の節)が加齢とともに老化・変形することで起こります。

高齢者の場合、もともと抱えていた腰部脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなどの症状から進行し、老化変性によって腰椎が横に曲がってしまうケースが多く見られます。

また、骨粗しょう症による圧迫骨折が引き金となって、背骨のバランスが崩れることも一因とされています。長年の姿勢のクセや、片側に偏った体の使い方の積み重ねも、変性側弯症の進行に影響すると考えられています。

放置すると日常生活に影響も

変性側弯症の主な症状は、腰痛や背中の痛みです。

多くの方は「年齢のせいだから仕方がない」と我慢してしまいがちですが、症状が進んで神経を強く圧迫するようになると、以下のような深刻なトラブルを引き起こすことがあります。

  • 坐骨神経痛による足のしびれや痛み
  • 筋力の低下
  • 歩行困難など、日常生活への大きな支障
  • 長時間立っていられない、少し歩くと休みたくなる(間欠性跛行)
  • 姿勢の変化による呼吸のしづらさや疲れやすさ

こうした症状は徐々に進行することが多いため、「最近疲れやすくなった」「歩く距離が短くなった」といった小さな変化を見逃さないことが大切です。

訪問鍼灸マッサージでできる姿勢ケア

側弯症の進行を抑え、痛みを緩和するためには、背骨を支える周りの筋肉を柔軟に保つことが欠かせません。

私たちは、鍼やお灸による治療で深部の血流を促進し、マッサージやストレッチによって固まった背骨周りの筋肉を丁寧にほぐします。関節の可動域を広げることで、血液循環を良くし、筋肉や関節の柔軟性を取り戻すお手伝いをいたします。

特にご自宅での生活が中心となる高齢の方にとっては、体の状態やお悩みに寄り添いながら、無理のないペースで継続的なケアを行えることが訪問施術の大きな利点です。日々のちょっとした体の変化にも気づきやすく、早めの対応につなげやすい点も特徴です。

【豆知識】自宅でできる「姿勢矯正ストレッチ」

姿勢を整えるためのストレッチをいくつかピックアップします。毎日の習慣として、無理のない範囲で続けてみましょう。

  1. 背伸び:両手を頭上に伸ばして手のひらを合わせ、5秒キープします。呼吸を止めず、体を上に引き上げるイメージで行いましょう。
  2. 肩甲骨寄せ:胸を大きく開きながら、左右の肩甲骨を寄せるようにして5秒キープします。デスクワークなどで丸まりがちな背中をほぐすのに効果的です。
  3. 膝抱え:仰向けで片方の膝を両手で持ち、胸に引き寄せてお尻を伸ばします(左右交互)。腰まわりの筋肉をゆるめる動きです。
  4. 腰ひねり:仰向けで片方の膝を曲げ、反対側に倒して腰をひねります(肩が浮かないよう注意)。背骨周辺の柔軟性を保つのに役立ちます。

反動や勢いをつけず、痛みが出るまで無理をしないことが大切です。少しでも違和感やしびれを感じた場合は、無理せず中止してください。

美しい景色をいつまでもシャキッとした姿勢で楽しめるよう、背骨のメンテナンスを始めてみませんか?気になる症状があれば、いつでもご相談ください。

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